2008年9月30日 新潟県中越沖地震で得た教訓と課題[1]に従い訓練設計を行った弊社新訓練コースである「地震時プラント診断訓練」が開始されました。これまでの訓練は、操作手順を習熟することが主目的でしたが、本訓練は、地震発生時のように多数の故障が同時に発生するようなプラントの状況下において、発電所当直員が原子力発電所の運転状態を適切に把握・分析し、優先度の判断をスムーズに行う為の技能とチームワークを養成するものです。本訓練のご提供により、更なる原子力発電所の安全に寄与できるものと考えています。

[1]2007年12月20日 原子力安全・保安院「東京電力柏崎刈羽原子力発電所における新潟県中越沖地震発生時の運営管理に関わる評価結果」

この訓練は机上訓練(検討会)とシミュレータ訓練とで構成されます。


【机上訓練(検討会)】
 机上訓練は、地震発生時の対応について、優先度判断の考え方や、チームとしての行動方針をチーム内で討議するものです。訓練生の方からは「グループ討議の効果が大きく、対応操作における方向性を見出すことができた。」と好評な意見を頂きました。

 





【シミュレータ訓練】
 シミュレータ訓練は、机上訓練での討議結果を踏まえて実際の対応操作をシミュレータを使って実践するものです。地震を想定し、複数の故障を同時に発生させ対応します。複数の故障を同時に発生させることで、当直員が原子力発電所の運転状態を把握することを敢えて困難にしています。より厳しい状況下で訓練することにより、実際の地震発生時においても、スムーズで安全な対応ができるものと期待しています。

 写真は4号シミュレータ(新潟センター)での訓練の様子です。
訓練生の方からは、「優先度を考えながら対応ができた。」との感想も頂いており、検討会とシミュレータ訓練を組み合わせた効果も高いと考えています