以前よりKSG/KfS社(注1)と原子力発電所運転員の訓練全般について技術交流を進めてきており、今回は2008年10月13日から17日までの1週間、KSG/GfS社を訪問して技術交流を実施しました。 なお、2007年にはKSG/GfS社の3名のメンバが日本を訪問し、技術交流を実施しています。

KSG/GfS社



【情報交換】
 KSG/GfS社からはドイツにおける原子力発電所運転員のシミュレータ訓練全般や継続訓練におけるプログラム等について説明してもらいました。一方、BTCからは地震時プラント診断訓練、チーム交流会の実施状況等、最近の訓練状況を説明し、情報交換を行いました。









シミュレータ訓練状況

【訓練状況の視察】
 訓練施設の見学だけでなく、実際のシミュレータ訓練状況を観察しました。
 D/W点検などの通常操作やタービン建屋での主蒸気管朗詠事故・給水ポンプトリップ事故などの事故対応、などの訓練が実施されており、KSG/GfS社におけるシミュレータ訓練の実際の進め方について理解できました。
 故障発生時の対応後に事象を振り返り15分程度検討する等類似点のある一方、訓練の進め方などについて違いがあることがわかりました。








【他の関連機関の訪問】
 理論面の訓練を担当しているKWS(注2)では、訓練施設の見学、訓練(講義)の観察を行いました。核工学等の基礎理論習得に多くの時間を設定していることがわかりました。
 また、Grohnde発電所(PWR)を訪問し、運転員の直体制、教育内容などを伺いました。Craftsmanという運転補助員が当直に組み込まれている点など日本との相違点が分かりました。




(注1)KSG/GfS社:Kraftwerks-Simulater-Fesellschaft mbH/Gesellscaft für SimulatorschulungmbH KSG/GfS社はドイツ・エッセン市にあり、シミュレータ13基を保有し、国内の原子力発電所運転員の訓練を実施しています。
(注2)KWS:KRAFTWERKSSCHULE E.V. KSG/GfS社に隣接して設置されており、原子力における核工学、放射線防護、等の理論面の研修や、火力発電所のシミュレータ運転訓練を実施しています。